前田家二代目当主・前田利長公の菩提を弔う寺院:瑞龍寺(ずいりゅうじ)
伽藍配置図

由緒
加賀藩二代藩主の前田利長の菩提を弔うため、三代藩主の前田利常によって建立されました。
建築は加賀藩お抱えの大工頭・山上善右衛門嘉広が棟梁となり、進められました。
正保二年(1645年)に造営が開始され、
伽藍整備が完成したのは利長の五十回忌にあたる寛文三年(1663年)でした。

平成九年(1997年)に山門・仏殿・法堂が国宝に指定されました。
総門・禅堂・大庫裡・回廊・大茶堂も重要文化財に指定されています。

国指定重要文化財:総門

国宝:山門

現在の山門は文政三年(1820年)に竣工しました。高さは約十八メートルです。
延享三年(1746年)の火災で焼失したものが再建されました。


二体の金剛力士像が安置されています。

山門二階には『影向閣(ようごうがく)』という扁額が掲げられています。
国指定重要文化財:禅堂

全国で重要文化財に指定されている禅堂が三棟あるうちの一つが瑞龍寺の禅堂です。
東福寺禅堂(京都府京都市)
萬福寺禅堂(京都府宇治市)

国指定重要文化財:大庫裡(北回廊の一部として)

お寺の台所になります。天井は漆喰を弓形状に塗り、防火建築の特徴がうかがえます。

かまどがありました。

国宝:仏殿

万治二年(1659年)に建てられました。仏殿の鉛瓦は総重量約四十七トンで、
火縄銃の弾に換算すると250万発の加工が可能だそうです。

総檜造で、御本尊の釈迦如来坐像、脇侍の普賢菩薩像、
文殊菩薩像が須弥壇上に安置されています。
国宝:法堂

明暦元年(1655年)に建立されました。前田利長公の位牌が祀られています。

境内には以前の法堂の鬼瓦が展示されていました。
国指定重要文化財:大茶堂

大茶堂内から見た山門です。住職の接賓や行事打ち合わせの場所として使用したり、
大衆に対して法儀を行う場所で、全国でも珍しい建物です。

七間浄頭(しちけんじんずう)(東司:とうす)跡

東司(とうす)は七堂伽藍の一つに数えられます。
瑞龍寺の東司は、寛文元年(1661年)に建てられましたが、
延享三年(1746年)の火災で焼失しましたが、その後まもなく再建されたようです。

明治に入って廃仏毀釈や、加賀藩からの援助の停止により経済的な援助を失った寺は、
再興のために烏瑟沙摩明王像を禅堂に移し、東司は解体されました。

烏瑟沙摩明王(うすさまみょうおう)像は現在法堂に安置されています。
「トイレの神様」といわれています。富山県の重要文化財に指定されています。

「撮影可」と書かれていたので、撮影させて頂きました。
高さが百十七センチあるそうです。
浴室跡

浴室は東司とともに七堂伽藍の一つに数えられています。
瑞龍寺の浴室は寛文年中(1661年~1672年)に建てられましたが、
延享三年(1746年)の大火で焼失しましたが、寛延二年(1749年)に再建されました。

その後、幕末から明治初頭の間に取り壊されたそうです。
こけら葺きの修理事業

平成二十四年から令和二年の期間をかけて、山門、総門、南東回廊、南西回廊、禅堂、
高廊下、大茶堂、北回廊の屋根のこけら葺きの修理が行われました。
瑞龍寺のご朱印
平成二十七年拝受:御本尊・ご朱印

平成二十七年拝受:ご朱印

令和四年拝受:釈迦如来・ご朱印

令和四年拝受:烏瑟沙摩明王・ご朱印

令和四年拝受:韋駄天・ご朱印

寺院情報
- 住所:富山県高岡市関本町35
- アクセス:あいの風とやま鉄道高岡駅徒歩約10分
- HP:https://www.zuiryuji.jp/index.html
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