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やくよけのおそっさま:堀之内妙法寺(みょうほうじ)
古典落語の『堀の内』の中で、あわて者の熊五郎がお参りに行く、
『堀の内の御祖師様』が堀之内妙法寺です。
妙法寺所蔵:杉並区指定文化財案内
妙法寺祖師堂:由緒
由緒
元々真言宗の尼寺でしたが、
元和四年(1618年)に覚仙院日逕上人は、
老母妙仙院日圓上人の菩提のため、
母親を開山とし、自らを開基第二祖として、
日圓山妙法寺が開かれました。
元禄十二年(1699年)に身延山の直末となった時、
霊験あらたかな『やくよけ祖師(日蓮大聖人)』の霊像を迎えて以来、
多くの人々からの信仰を集めています。
山門(仁王門)
当初は鐘楼門として、天明七年(1787年)に建立されました。
左右の金剛力士像は、
江戸幕府四代将軍の徳川家綱が赤坂日枝神社に寄進されたものを、
明治元年(1868年)に移されたものです。
妙法寺に遷されたのは、堀之内がかつて赤坂日枝神社領であった関係からだそうです。
祖師堂
やくよけ祖師御尊像が奉安されています。
文化八年(1811年)に十年の歳月をかけて完成しました。
日蓮聖人の四十二歳の厄歳にちなみ、
四十二本の欅(けやき)の丸柱にて建立されています。
本堂(三軌堂)
文政二年(1819年)に建立されました。
別名三軌堂の『三軌』とは、如来の「衣」「座」「室」をいい、
法華経を信じ説く人の持つべき三つの心がけを指しているそうです。
本堂にて「立正安国」(世界全体の平和)が祈られているそうです。
日朝堂
文政十一年(1828年)に建立されました。
身延山十一世行学院日朝上人の尊像が奉安されています。
学匠として高名だった日朝上人は眼病を患われましたが、
回復後に眼病の人々を救わんと大願をかけられました。
その為眼病平癒と学業成就の信仰がかけられています。
二十三夜堂
毎月二十三日に御開帳される、良縁と財運の利益をもたらす、
二十三夜大月天王というお月様が祀られています。
財運に通じる白蛇が守護しているといわれています。
昔、白蛇が実際に棲みついていたそうです。
浄行堂
水の徳を持つ浄行菩薩が祀られています。
菩薩さまのお身体を清水で洗い、祈願することで、
病気治癒や家内安全を呼ぶとされています。
国指定重要文化財:鉄門
お寺の門としては珍しい洋風のデザインとなっています。
明治十一年(1878年)に完成しました。
門の楣上(のきうえ)には彩色された鳳凰を冠し、
柱頭には青銅の童子(東側が女性・西側は男性)が安置されています。
和洋折衷様式の鉄門としては珍しいものとなっています。
玄関の奥には『御成の間』があります。
徳川将軍の休息のための御座所となっていました。
有吉佐和子さんの碑
ベストセラー作家有吉佐和子さんの碑があります。
よく妙法寺を訪れ、
散歩していた有吉さんを偲んで、
舞踊家吾妻徳穂さんらの手によって建てられたということです。
台座が原稿用紙、
碑は鉛筆をイメージしているようです。
鐘楼
妙法寺のご朱印
平成二十五年拝受:ご朱印
令和二年拝受:ご朱印
御首題:ご朱印
日朝堂:ご朱印
二十三夜堂:ご朱印
毎月二十三日のみ頂けるご朱印です。
寺院情報
- 住所:東京都杉並区堀ノ内3-48-8
- アクセス:東京メトロ丸ノ内線東高円寺駅徒歩15分
- HP:http://www.yakuyoke.or.jp/
妙法寺周辺にある帝釈天
和田帝釈天
妙法寺の近くにある和田帝釈天通りの中に、帝釈天教会(和田帝釈天)があります。
今は環状七号線で分断されていますが、
かつては鍋屋横丁から妙法寺へ参道がつながっていました。
ご覧頂きましてありがとうございます。
日本の近代建築の師である、ジョサイア・コンドルの来日第一作と言われいます。
コンドルは、「鹿鳴館」「上野博物館」「ニコライ堂」などを設計しました。