左甚五郎作・野荒らしの馬:国宝・法華経一品経:慈光寺(じこうじ)
坂東三十三観音霊場
坂東三十三観音霊場のご朱印は専用の御朱印帳に頂きました。
由緒
天武天皇二年(673年)に僧慈訓が慈光老翁の委属を受け、
千手観音を祀る草庵を結んだのが始まりです。
奈良時代に奈良の鑑真和上の高弟だった僧・道忠によって釈迦如来像が刻まれて、
創建されました。
鎌倉幕府初代将軍の源頼朝は、奥州藤原氏追討に際し、
戦勝祈願の為、愛染明王像を寄贈しました。
戦国時代には太田道灌の焼き討ちに遭うなどありましたが、
江戸時代には江戸幕府三代将軍の徳川家光の側室である桂昌院の信仰も篤く、
栄えました。
参道
駐車場からは参道を歩きます。
山門
しばらく歩くと山門が見えてきました。
阿弥陀堂(本堂)
ご朱印は阿弥陀堂(本堂)にて頂きました。
多羅葉(たらよう)
幹回り2.7メートルで高さ18メートルあります。
葉の表皮に棒などで字が書けるので、葉書の語源になったそうです。
慈覚大師円仁が天長年間に植えられたといわれています。
昭和六十三年の降雪によって枝が折れ、幹の内部が腐っていたので、
木の治療をされたそうです。
鐘楼(時の鐘)
鐘楼は昭和六十年の火災で半焼し、平成二年に再建されました。
銅鐘は寛元三年(1245年)の銘があり、埼玉県最古のものとして、
国の重要文化財に指定されています。
宝物殿
境内には宝物殿があります。
般若心経堂・観音堂への参道
宝物殿の先には般若心経堂・観音堂への参道があります。
般若心経堂
般若心経堂の中には国宝の法華経一品経の複製が展示されていました。
関東地方で作成された現存する最古の写経である『法華経一品経』は、
後鳥羽上皇や藤原兼実らが法華経など全三十三巻を書写して奉納したもので、
広島県の厳島神社の『平家納経』や、静岡県の鉄舟寺の『久能寺経』とともに、
日本三大装飾経の一つです。
観音堂
現在の観音堂は前年に火災で焼失した為、
享和三年(1803年)に九十七世義然が再建したものです。
左甚五郎作・野荒らしの馬
観音堂の白い木馬は、左甚五郎作の『野荒らしの馬』といわれ、
夜になると抜け出して周囲の畑を荒らす為、天井から吊るされたといわれています。
申八梵王(さるはちぼんのう)
般若心経堂の横には『申八梵王』と呼ばれる石像がありました。
天明六年の刻字があるそうです。
慈光寺のご朱印
平成十七年拝受:坂東三十三観音霊場第九番札所:ご朱印
令和五年拝受:坂東三十三観音霊場第九番札所:ご朱印
坂東三十三観音霊場第九番札所:ご詠歌
阿弥陀如来:ご朱印
地蔵尊:ご朱印
薬師如来:ご朱印
寺院情報
- 住所:埼玉県比企郡ときがわ町西平386
- アクセス:関越自動車道東松山ICから車で約30分
- HP:https://www.temple.or.jp/
車以外には『乗合タクシー』というのもあるそうです。
ご覧頂きましてありがとうございます。
鎌倉幕府初代将軍の源頼朝によって発願され、
三代将軍の源実朝が西国霊場を模範として札所を制定しました。
札所は鎌倉を出発点に関東七県に点在し、全行程は1,300㎞です。
室町時代には『西国三十三観音霊場』『秩父三十四観音霊場』と合わせて、
『百観音巡礼』が行われるようになりました。