【史跡・墓所訪問】東京都台東区：東叡山寛永寺の徳川家霊廟

天海は江戸城の鬼門(東北)にあたる上野の大地に寛永寺を建立しました。
寺号も創建時の年号を使用することが許され、寛永寺となりました。

現在の上野公園の中央部分である噴水広場にあたる竹の台には、
元禄十一年(1698年)に江戸幕府五代将軍の徳川綱吉によって、
間口45メートル、奥行42メートル、高さ32メートルという、
壮大な根本中堂が建立されました。

しかし幕末の官軍と彰義隊との上野戦争により戦場となり、
全山の伽藍の大部分が灰燼(かいじん)に帰してしまいました。

現在は上野戦争で被災を免れた清水観音堂や輪王寺門跡御本坊表門、
徳川将軍霊廟勅額門などが国の重要文化財に指定され、往時の雰囲気を偲ぶことができます。

寛永寺根本中堂の裏手に徳川綱吉霊廟勅額門があります。

江戸幕府五代将軍の徳川綱吉の霊廟は宝永六年に竣工しました。
一部は明治維新後に解体されたり、太平洋戦争で焼失しましたが、
勅額門と水盤舎は廟所とともに被災を免れました。

霊廟勅額門のそばには、徳川宗家と徳川御三家の御位牌所がありました。

徳川綱吉霊廟勅額門から東に向かい、寛永寺第二霊園入口のそばに、
徳川家綱霊廟勅額門があります。

江戸幕府四代将軍の徳川家綱の霊廟は、延宝九年(1681年)に完成しました。
霊廟の大部分は太平洋戦争の空襲で焼失し、
勅額門、水盤舎、奥院宝塔、奥院唐門霊廟が残っています。

東京国立博物館平成館の裏手の道路沿いにあります。

四代将軍：徳川家綱：厳有院霊廟
五代将軍：徳川綱吉：常憲院霊廟
八代将軍：徳川吉宗：常憲院霊廟に合祀
十代将軍：徳川家治：厳有院霊廟に合祀
十一代将軍：徳川家斉：厳有院霊廟に合祀
十三代将軍：徳川家定：常憲院霊廟に合祀
※家定の廟所の隣には正室の天璋院篤姫の廟所もあります。

※享保五年(1720年)に八代将軍の徳川吉宗の御霊屋禁止令により、
　大規模な霊廟は建築されず、寛永寺か増上寺の霊廟に合祀し、
　宝塔か霊牌所が建立されました。

普段は非公開で、特別参拝の申し込みをすることで、参拝が可能ですが、
令和六年六月現在、特別参拝は休止中でした(寛永寺HPより)